ESSAY | ” Love “が廻り合わせた一期一会

2014年、わたしはロンドンにいた。初めてのロンドンでワクワクドキドキしつつ市内へ移動すればするほど懐かしさを感じたのでした。

そもそも、ここに来るまでがとても突然のようで自然な流れに運ばれてきた。とても確かな何かに「行ってきなさい」と、どこからともなく導かれたかのようでした。この感覚はとても大切にしている。その瞬間はわからなくても、幾度となく人生の大切な瞬間へ誘導してくれていると気付かされるからだった。当時はヨガのクラスを担当していたが、休暇や旅費などをどうしようかも考える間もなく「行く。」と動き出していました。あれよあれよとスムーズに準備は整いイギリスに到着。

そのロンドン滞在中、これは宇宙の計らいだね。というような「はい、OK。ありがとう。」としか応ようのない出来事が多々起こりました。旅や環境を変えると、よりクリアにメッセージやインスピレーションにフィットしやすくなりことがありますが、この滞在の瞬きは本当に人生でも大切なメッセージたちが溢れていたのでした。そこから2つを綴ってみました。今回はその1つ「Loveが廻り合わせた一期一会」。

心の赴くままに、滞在するその周辺や気になるところを歩いて散歩する。初めて訪れたそこに流れる感覚・空気感のエネルギー全体を感じながら探検するのが大好きで、ロンドン滞在のある日もそんな風に小さな子どもが冒険へ出発するかのように散歩を楽しんだ。

日が照る中、ホテルから数駅歩き地下鉄に乗った。駅を出て進むと大英博物館が見えてきました。小人になったのかな?と思うような高い木々、東京とは少し異なる色彩で、北海道では見たことのあるような空。石の道や行き交う人々と混じり合うエネルギー。道のりの360°にワクワクしながら進み、あらゆる全てに感動しながら館内に入った。そして芸術を見るときに起こるスーっと静まる感覚も胸に、ゆっくり作品を鑑賞し始めた。

1枚の絵画を観ていると、後ろから語りかける声が聞こえた。振り返って見ると背が高く、白髪で渋い綺麗な色のスーツを着た方が立っていました。作品について少し話している様子。太くしっかりとした声の奥に、安らかな女神のような存在を感じたのを覚えています。心地よく話を聞きながらわたしも自然に話し始めていました。

作品についても詳しく、一点一点を丁寧に教えてくれたのでした。思い入れの深そうなお気に入りなのであろう絵の前で、わたしたちはソファに腰を下ろしました。彼はロンドン市内のドクターで職場が近く、よくここに鑑賞しに来るとか。とても芸術を喜び楽しんでいる感じがひしひしと伝わる。わたしも日本から来たことや人生のありがたさをスルスル語っていた。

当時、わたしは癌の治療を終えいわゆる癌サバイバーの一人だった。たくさんのドクターとも会い、とてもお世話になってきた。そしてその一人一人から伝わる想いもたくさん感じてきた。癌が創り出されたヴィジョンも視た。とそんなことがふと過ぎったとき、小さなヨーロッパの女の子が過り、自分が言っているだけでない感覚が走り何かと一緒に「ドクター、本当に感謝しています。ありがとう。」と英語で伝えていたのです。やはり、わたしの中心に何かが走り、彼の目の奥にも何かが浮かんでいるのを視ました。

そして彼も自然にこう言いました。

「あなたは充分に愛を与えてきた。これからは、あなたを愛しなさい。」と。「あなたが彼らを愛し続けるように。彼らのことを愛するあなた(わたしたち)を。」と。その瞬間は時が無いみたいで、なんとも言えない表現のしようのない感覚になり同時に胸の中と背中を温かく” ふぁーっ “と通るのを感じました。

「ありがとう。」が込み上げたそのとき、この瞬間だけのことじゃなく遥かな” いつか “から込み上げるような感覚が一緒に全身を越えるように生き生きと巡った。

その後、少しばかりおしゃべりが続いた。終始、安心する空間が流れていったのでした。わたしたちはソファを立ち上がり美術館の出口へ向かい、外に出ると広場には小さなオーケストラが演奏していて、空は淡いピンクがうっすらと浮かんでいます。彼は駅の入り口まで案内してくれて「私はあっちだからココでお別れです。今日はあなたに会えて素晴らしい日になった。ありがとう。ロンドンを楽しんで!」と言い、わたしも感謝を伝え握手をしました。

するとまた” ふぁーっ “っとお互いの手から、例えて言えばひかりが溢れて、優しい呼吸と温もりがひろがり” ココでまた会う “のを約束していたのだろうか?そう思わされる感覚が走る。わたしの知らない記憶は知っていたんだろうなと。そして、ここから始まる人生の新しい章を感じていた。これまでの「LOVE」と共により繋がり、ここからあなたの中から溢れている「LOVE」を愛し紡いでいくヴィジョンが走馬灯に耀きを増したのでした。彼は私が地下鉄の階段を降りていくのを少し見守っていた。わたしはもう見えないかなと思うところで一瞬振り返ってまた階段を進んだ。歓喜の笑みを浮かべながら。

そんなLoveが廻り合わせた一期一会の瞬間。

目の前の人をあらゆることを大事に感謝し、喜びに溢れ喜ばれる何かを実践し生きていく。喜びを生きるエネルギー源、Love。今のわたしがあの時のわたしに「行ってきなさい。」と囁いたかのよう。きっとあの瞬間から、2022年にこの体験を書いていることと繋がっていたのだろう。そして、この記事と巡り合ったあなたの「LOVE」と共振し愛を広げていく。ありがとう。We love you. 

PS: あなたとのシンクロに心よりありがとうございます。そして、こことシンクロするわたしたちは愛するエネルギーで溢れています。「愛してます。」のサインです。それでは、心地よいイマとありますように。

by Asaki